田舎では、若年層の人口が減少しているため、高齢者が高齢者を介護する老老介護が増えてきています。地方では、介護施設が少なく、また介護士の高齢化も問題になっています。地方の介護士に若い世代が少ないのは、介護職の収入が都市部よりも少なく、時給にすると都市部では平均1500円であるのに対し、地方では1000円に満たないためです。さらに、人手不足からサービス残業や有給を消化させてくれない職場もあり、若い世代は条件の良い職場を求めて都市部に集中してしまいます。
若い世代が田舎から居なくなってくると、過疎化した地域での介護環境はより悪化してしまうでしょう。住み慣れた土地で働き続ける中高年層やそれ以上の世代が中心になって介護の業務を行うため、職場の人間関係が閉鎖的になり、新たに介護職を始める職員が続かなくなってしまう恐れもあります。介護士の人数が増えなければ、介護を必要とする高齢者が多い地域ほど介護サービスが受けられなくなるのです。過疎化が進む田舎では、若い世代が介護士として働けるように、介護の魅力を幅広い年齢層に伝えていかなければなりません。これから介護の仕事を目指す人は、過疎地域での介護の必要性をよく知ることが大切です。田舎に介護士を増やし、介護サービスの種類や量を充実させていくと、サービスの質も向上していきます。介護が受けられない高齢者の数を減らし、個人のニーズに合わせた介護サービスを実現することが必要です。
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